保釈について(保釈請求できる時期)

今回は保釈について。

保釈というと,刑事事件を起こした場合に,「なんか保釈金を払えば釈放される」,みたいなイメージかと思います。
そこのところをある程度詳しく解説します。

大前提として,保釈は身体拘束を解いてもらうための制度なので,身体拘束されていない事件では関係ありません。

まず,時期のお話し。
身体拘束される刑事事件では大まかに,①逮捕,②勾留,③起訴,④裁判,⑤判決という流れをたどります。
保釈制度が使えるようになるのは,③起訴された日以降です。
また,保釈の効力は,⑤判決の日までです。

例えば,事件の流れが次のとおりだったとしましょう(事件が1件のみの場合)。

①7月1日  逮捕
身体拘束の開始。
このタイミングで希望すれば当番弁護士(弁護士による無料相談)を呼ぶことができます。

②7月3日  勾留
勾留されると身体拘束が続きます。
この日以降,希望すれば国選弁護人がつきます。

③7月12日 起訴
勾留中に起訴されると,身体拘束は判決まで続きます。
すでに国選弁護人がついている場合は引き続き担当になります。
なお,稀に,身体拘束されていない事件(在宅事件)でも起訴と同時に勾留されること(求令状起訴)もあります。

④8月12日 第1回公判
勾留されている場合は判決まで身体拘束が続きます。

⑤8月26日 判決宣告


この場合ですと,保釈請求が可能になるのは,起訴日である7月12日からとなります。
また,保釈の効果があるのは,8月26日の判決宣告の日までです。

制度上,逮捕・勾留時点では保釈請求はできません。

もっとも,そもそも勾留されないように活動することや,勾留された場合でも勾留に対して不服申立をすることなどはできます(それらは保釈制度とは別の話です)。
また,逮捕されたが勾留されなかった,勾留されたが起訴されなかったような場合だと,釈放されていますのでやはり保釈制度は関係ないこととなります。


なお,国選ではなく私選(自分のお金)で弁護人を選ぶことは,いつでもできます(逮捕前でも)。

つづく。
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